昨今、地球温暖化は世界中で深刻な問題となっており、日本も例外ではありません。
気象庁の発表した「気候変動2021 自然科学的根拠」によると、世界の平均気温は2081~2100年には1850~1900 年を基準とした世界平均気温から最大で4.4℃上昇するとされています。
では、これから日本では気温がどこまで上がるのか、そしてどのような対策が必要なのでしょうか。この記事では、地球温暖化が日本に与える影響と、予想される気温の変動について詳しく解説します。
未来の気温予測:日本の気温はどこまで上がるのか?
環境省が発表した「地球シミュレータによる最新の地球温暖化予測計算が完了」によると、2071~2100年で平均した日本の夏(6・7・8月)の日平均気温は1971~2000年の平均に比較して3.0℃~4.2℃上昇し、日本の日最高気温は3.1℃~4.4℃上がるとされています。
気象庁「東京(東京都) 日平均気温の月平均値(℃)」から算出した1971~2000年(6・7・8月)の平均気温24.8℃から考えると2071~2100年の夏の平均気温が27.8~29℃まで上昇するということです。
2024年夏の時点で30℃を超える日も多かったので、少し意外な感じがしませんか?
上記のデータが平成16年のものなので、もしかすると少し古いのかもしれません。
次章からはその謎を解くべくこれまでの日本の夏の平均気温について更に掘り下げて考察してみたいと思います。
日本における地球温暖化の現状
以下の図は1980年、1990年、2000年、2010年、2020年、2024年(6・7・8月)の東京の平均気温および最高気温を図にまとめたものです。
6月 | 7月 | 8月 | 最高気温 | |
1980年 | 23.6℃ | 23.8℃ | 23.4℃ | 33.0℃ |
1990年 | 23.5℃ | 25.7℃ | 28.6℃ | 35.9℃ |
2000年 | 22.5℃ | 27.7℃ | 28.3℃ | 34.9℃ |
2010年 | 23.6℃ | 28.0℃ | 29.6℃ | 37.2℃ |
2024年 | 23.1℃ | 28.7℃ | 29.0℃ | 37.3℃ |
東京においてはここ20年ほどではあまり変化はないものの、30~40年ほど前と比べると7月8月の気温と最高気温が確実に上昇しているのがわかります。
1980年から比べると7月は+4.9℃の28.7℃、8月は+5.6℃の29.0℃、最高気温は+4.3℃の37.3℃です。
前章「未来の気温予測:日本の気温はどこまで上がるのか?」では2071~2100年の夏の平均気温が27.8~29℃まで上昇するという内容でしたが、2024年の時点で既に超えていると言えます。
では、どうしてこれほどまでに温暖化のスピードが速くなっているのでしょうか?
急激な地球温暖化の原因
温室効果ガス
一般的には、地球温暖化は温室効果ガス(二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、 フロンガスなど)が原因とされています。
出典:気象庁「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会(WG1)報告書「気候変動2021 自然科学的根拠」」
産業革命以降、森林の減少や化石燃料の使用により温室効果ガス濃度の増加によって熱放射も増加。熱放射の多くが宇宙に放出されずに大気によって吸収されるようになりました。また、汚染物質の増加により増加したエーロゾルによって、雲の反射率を増加させる雲粒の形成も増加。太陽光がより多く反射されることで温暖化が進んでいるとされています。
出典:気象庁「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会(WG1)報告書「気候変動2021 自然科学的根拠」」「よくある質問と回答」
温室効果ガスについてはかなり昔から言われていることなので、もう皆さんご存知かもしれません。
ポールシフト?(地軸傾斜・歳差運動)
九州大学総合研究博物館の「過去10万年間の気候変動~プランクトン群集を用いた古環境復元~(1)」によると、気候変動には以下の要因が考えられると紹介されています。
地球自体の歳差運動や地軸傾斜によって北半球の夏が今より暑くなったり、また、夏・冬の差が激しくなるということのようです。
地球温暖化が今に始まったことではなく、古代から続く地球のメカニズムであるという発想です。
こちらの発想もけっこうあり得るんじゃないのかなぁと個人的には思っています。
いずれにせよ、地球温暖化の原因が温室効果ガスであっても、地軸傾斜や歳差運動であっても、温暖化が急激に進んでいるということは事実です。
では、どうすれば私達はこの危機を乗り越えることができるのでしょうか?
地球温暖化対策
温室効果ガスの削減
気象庁によると、CO2の排出を大幅に削減することで世界平均気温の上昇を抑えることができるとされています。
出典:気象庁「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会(WG1)報告書「気候変動2021 自然科学的根拠」」
上記の図によると、CO2の削減に取り組むと、2040年頃から世界平均気温の差異が識別可能になり、結果が出てくるようです。
日本政府も2050年を目途にカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること)を実現すべく目標をたてています。
環境庁によると、2024年9月30日の時点で、日本全国で1122自治体が「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明しているようで、本気度がうかがえます。
参考までに、環境省から補助金などの情報も出ているので、ご興味のある方は確認してみてはいかがでしょうか?↓
温室効果ガスについては正直、もっと早くに対策できなかったのかなぁ。なんて思ってしまいますが、人間、切羽詰まらないとなかなか意識しないですよね。私も今まで知ってはいたけれどそこまで気にしていなかったので・・・。
でも、最近、都市部でも緑が少しずつ増えているような気がして、都会のオアシスのようでとても嬉しいです。
素人目線では、急激にCO2排出量を減らしましょう!と無理をするのではなく、無理のない範囲で抑えつつ、もっと緑を増やしていくという方向でもいいんじゃないかなという気もしています。
暑くて大変なのにクーラーをつけるのを躊躇ってしまうような日常が来たとしたらそれはそれで持続不可能な気もするので・・・。まぁ、さすがにそこまでは強要されないかもしれませんが。
氷河期が訪れるのを待つ
現在これだけ暑い夏を送っていますが、これから氷河期が訪れるという見解もあるようです。
公益財団法人「日本極地研究振興会」のHPの中で、東北大学名誉教授、理学博士の福西 浩氏は、過去の地球の気候変動の例から考えるとこれから地球は氷河期に移行すると述べています。
また、REITEのHPにある以下の記事では「ダルトン極小期」と「異常気象の常態化は、氷期に突入した兆し」ということに言及しています。
ダルトン極小期とは、1790年から1830年まで続いた太陽活動が弱かった期間のことで、世界の平均気温は0.1度低下したようです。
「ダルトン極小期」のように数度程度気温が下がる氷河期が来るのであれば、地球温暖化と相まって丁度よいのかもしれません。
もし、過去地球に訪れたような地表が全て凍ってしまうような氷河期が訪れるのであれば、それはそれで困ったもので、地球温暖化とは別に対策が必要になります。
氷河期が訪れるという説もいろいろな人が説明しているので、まったくありえないということも言いきれないのではないでしょうか。
他惑星に移住?
異常気象が起こる地球を懸念して、イーロン・マスク氏が熱心にロケットを開発して火星への移住計画を推進しています。
先日、Xで以下のような発言もみられました。
「近い将来、過去に何度も起こったように、巨大な彗星が地球に衝突し、ほぼすべての生命を絶滅させるだろう。最終的には、太陽は膨張して海を沸騰させ、すべての生命を滅ぼすほどになります。宇宙を航行する文明になるか、滅びるか、それがたった二つの選択肢だ。」
彼は真剣に火星を含む他惑星への移住計画を考えているようです。
そして、既に火星への移住者の募集がNASAによって行われています。
火星移住と聞くとどうしてもテラフォーマーズが頭に浮かんできてしまうのですが、この計画が人類の希望となることを祈ります。
テラフォーマーズについてサクっと視聴したい方はコチラ(漫画だと結構長い)↓↓
まとめ
現在、地球は人類が生きてきた中で類を見ないほど異常気象に苛まれています。
地球温暖化だけでなく災害も年々、増えてきているように感じており、普段はポケ―っとしている私でも、いったい何が起こっているのかと不安になることも多いです。
今回は、10月になってもあまりにも暑い日々が続くので、少し地球温暖化について調べてみました。
皆様の参考になれば幸いです。